中小企業診断士にとって、一次科目「経済学」を学習する意義について

中小企業診断士受験生にとって、
一次試験の経済学のイメージはどのようなものでしょうか。
おそらく、多くの受験生が持っているイメージは下記のようなものではないでしょうか?

経済学は、中小企業のコンサルティングに特段必要ではないから、
力を入れて勉強する必要はないが、毎年、難易度がころころ変わり、
厄介な科目である。
効率的に勉強して、少なくとも足きりだけは回避し、
総合得点の足をひっぱらないようにしたい。

確かに、経済学を学習することで、実際に中小企業の経営改善、
指導に役立つ知識を獲得できるわけではありませんし、
毎年、難易度がころころ変わるため、
試験勉強のモチベーションが上がらないことは頷けます。
しかし、中小企業診断士受験生は、上記のように経済学を試験勉強として
効率的に勉強すればよいだけの科目と認識すべきではないと思います。
なぜなら、私は、
経済学の勉強こそが大局的な経営の方向性を診断する上で必要不可欠な知識を与えてくれる
と考えているからです。

経済学が大局的な経営の方向性を判断する上で、いかに重要であるか、
一例として、「金融緩和」を挙げて説明したいと思います。

昨年10月末、日本銀行は、大規模な追加金融緩和を実施しました。
その結果、株価は大幅に上昇、円ドルレートも大幅に円安に傾きました。
この金融緩和を受けて、中小企業の社長から、
「今後の景気はどうなるかね。」
と尋ねられたとしましょう。

経済学の知識が乏しい中小企業診断士は、
「金融緩和により、株価も上昇しましたので、今後、景気は回復していくでしょう。」
と表面的な説明しかできないのではないでしょうか。

一方、経済学に詳しい中小企業診断士なら、
「株価上昇により、どのような経路で実態経済が良くなるのか?」
「中小企業は恩恵を受けられるのか?」
「円安の効果は業種によってどのような違いがあるのか?」
「中小企業の多くはメリット、デメリットのどちらを強く受けるのか?」 等々、

金融緩和による影響を多角的に考察し、中小企業の経営に与える影響を
メリット、デメリットに分けて論理的に説明
できるはずです。

金融緩和による中小企業経営への影響については、
先日、公表された中小企業白書等を参考にして、考察して頂くとして、
(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html)

経済学の知識が乏しい中小企業診断士
経済学に詳しい中小企業診断士

のどちらが、中小企業にとって頼りになる存在となれるか、自明ですよね。
是非、経済学の学習を通して、大局的な経営の方向性を診断できる
中小企業診断士を目指していきましょう。

平成27年度 執行部櫟木

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