事例Ⅲに関してはどの設問でどの課題を解決すればいいのかといった切り分けが難しいといわれます。
解答を重複してリスク分散するという考えもありますが、まずは、設問が戦略レベルのどの位置のことを聞かれているのかを明確にすることで、何が問われているかを明確にしましょう。

戦略レイアを中心に据えて考えることで、第一問でSWOT問題でなくても、過去問ないない「助言」が問われても、特に動揺することはありません。戦略レイアを意識するということは、全体戦略の整合性を見ながら、経営課題を解決するという本質となります。

事例Ⅲの戦略レイア:全体の戦略と生産戦略の2つ

 

事例Ⅲの戦略レイアは全社戦略や機能戦略といった全体と生産面を考える生産戦略(機能別戦略)の2本立てです。全体を包括するのは、事例Ⅰでも事例Ⅱでも変わりません。

 

全社戦略は、会社全体の方向性を決めるものです。アンゾフの成長戦略がベースになります。
事業戦略は、各事業毎の戦略です。ポーターの競争戦略等がベースとなります。
ただし、与件企業では複数の事業がなく、単一事業であることもあります。

 

さて、生産戦略をどのように分けるのかが課題となります。
事例Ⅲでは、よくお客さんとの接点である営業面×QCDを問う生産面の切り口があります。
これが一つ。

生産の基本は、「入れて」→「変えて」→「出す」です。これをレイアの切り口として考えます。図にすると以下のようになります。

事例Ⅲの戦略レイア:生産戦略のレイアを具体的にする

これを少し具体化していくと、基本形は以下のようになります。

どの箇所を問われているのかがわかれば、どこに何を書くのかは明確になってきます。
また、与件企業によっては、材料の調達や外部の委託企業(入れる)や工場のネットワーク戦略(変える)、アフターサービス(出す)があり、状況に応じて変えていきます。
  

戦略レイア分析での留意点

 営業に着目するときは生産形態もチェック

同時に受注生産なのか見込み生産なのかもチェックしておきます。
受注生産と見込み生産の営業プロセスは異なり、その後の生産面で注視するポイントが異なってきます。

 

まず考える狭義と次に考える広義を持っておく

設問中の用語の定義は一つではありません。
鉄板ともいえる狭義の用語の意味と、視野を広げて考える広義の意味を考えることをお勧めします。 

例えば、「生産管理上」のことが問われたら、まずは生産工程を管理する「生産計画」と「生産統制」に着目します。しかし、与件企業の状況によっては生産工程も含めて考える必要があります。

「生産面」という言葉の場合も、まずは生産工程を考え、次に設計から出荷までに意味を広げて考えていくことがあります。

この言葉だから“これ”というのを狭義として決めておき、次に広げて考える広義的な意味合いも考慮していきます。型にはめて与件からの情報抽出の時間を短縮する方法と、型にはめずに事例企業に合わせて柔軟に対応する2つの武器を持つことです。

 

どの程度、具体的に書くべきか

事例Ⅲの回答で「ここはもっと具体的にかかないとふわっとしすぎている」といわれたり、逆に「細かすぎて、題意にそっていない」と指摘される…

どの程度の粒度で回答を書きべきか悩んだことはないでしょうか。
これも戦略レイアを明確にすることがヒントになります。

回答を書くにあたって、与件企業の会議室で提案を実施すると思ってください。
会議室には、社長、工場長、現場リーダーがいます。

今の回答は誰に対する提案でしょうか?

社長は、会社の方向性を決める重要な人物です。
全社戦略のレイアに対する回答は、間違いなく社長に対する提案です。
細かい工程の作業面の話ではなく、「新事業には営業面の強化が必要です」といった方向性が重要視されるでしょう。

次に、工場長です。
工場長は「QCD」が口癖で、生産計画や生産統制を担っている人物です。
人材配置の権限なども持っていると考えます。
生産面全体を見据えた提案や生産計画や生産統制はこの人にするべきでしょう。
社長よりも細かい粒度となります。
「生産計画の見直し頻度あげましょう」「多能工化して人材を流動化して小ロット化に対応しましょう」というのは工場長への提案です。

 最後に現場リーダーです。
現場のリーダーは、実際の作業に携わる人です。
具体的なオペレーションレベルの提案が喜ばれます。
「段取りの作業のマニュアル化を行いましょう」というのは、現場リーダーへの提案です。

 

 社長と工場長の両者や、工場長と現場リーダーの両者に提案することはあっても、社長に現場リーダーに提案すべきオペレーションを提案するような回答は題意に応えていない可能性があります。

 

 経営課題は意識すること

大切なことは「経営課題」は何か?を意識することです。

経営課題が解決できない回答は何かが抜けています。
経営課題をしっかり捉え、戦略レイア全体で整合性がとられているのかを考えます。
どこに何を書けばいいのかわからないとき、リスク分散のために重複して回答するケースもありますが、
まずは「経営課題をすべて解決できているか」を考えることが事例企業にとって優先すべきこととなります。

 

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