合格体験記

平成21年12月16日

大友 明弘

はじめに

平成17年12月の502キックオフ会で弱小企業診断士勉強会(以下、“弱小勉強会”)のことを知り、平成18年から参加しました。受験校や他の勉強会も併用した時期がありましたが、私は弱小勉強会で一番多くの気づきを得て、合格を手にすることができました。この場をお借りし、議論を重ねた勉強会メンバーと貴重なアドバイスを頂いたOB・OGにお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。

合格までの道のり

年度 一次 二次筆記 通学受験校 勉強会
1985 X マンパワー マンパワーの仲間
2005 X TBC(一次二次速習) TBCの仲間
2006 X(4科目合格) TBC(二次本科) 弱小+熱血
2007 ○(3科目合格) X(BBBB) TAC(二次+一次単科) 弱小+ねくすと+アクティブ
2008 受験せず X(BABB) 利用せず 弱小+ねくすと
2009 利用せず 弱小

初受験の1985年以来、海外転勤や業務多忙で受験できないでいる間に中小企業診断士試験は、何回も試験制度が変更になりました。以前中小企業診断士試験の試験科目になかった経営法務対策のため、ビジネス実務法務3・2級を2004年7月と12月に、宅建を10月に受験し合格しました。TBCの一次二次速習の通学コースに通い、2005年のストレート合格を目指しましたが、何と経営法務で深読みして考え過ぎ、100点満点中29点と足切でした。そこで、弱小勉強会に参加すると共にブロガーの熱血感動型さんらとの勉強会に参加し、TBCの二次本科にも通い、2006年度のストレート合格を目指しました。ところが、今度も一次試験の総合点で2点足りず、4科目しか合格できませんでした。2007年は一次突破に有効なプログラムを持つTACの一次単科コースを3科目取り、同時に二次本科にも通い、弱小はじめ三つの勉強会にも参加しましたが、二次試験を突破できませんでした。事例I終了後の喪失感が漂う中、受験した初めての二次試験は、疲労のためか、得意の事例IVで計算ミスを連発し、BBBBの評価で終わりました。2008年の課題は、全体の底上げでした。GWの連休明けに外資系銀行をリストラとなりましたが、自由時間を受験勉強に使える機会と捉え、弱小ともう一つの勉強会のみで一次も受験せず背水の陣を敷いて二次向けの受験勉強に専念しました。今度こそ必勝を期しましたが、またしても合格できませんでした。ただし、自分の感触がAであった事例IIが、BABBの評価で一致したことが救いでした。もっとも、事例IはC(2008年)かD(2007年)の感触だったのにB、Aの感触の事例IIIが2年連続B、疲労のせいにしたいほど計算問題が全滅だった事例IVがB、と改善ポイントが沢山ありました。二次の受験資格をなくし、就職活動に専念して受験をあきらめるか、受験勉強を継続するかの大きな岐路に立たされましたが、神様が与えてくれた試練と思い、1次試験の7科目突破からやり直そうと、弱小勉強会のストレート組に踏み止まりました。勉強仲間が次々と合格し、合格体験を語ったり書いたりする姿を見るにつけ、2009年12月に自分がその立場になりたいとの気持ちが沸々と湧いてきました。ストレート組では、8月の一次試験まで一次のみを勉強し、二次事例を解くことはありませんでした。しかし、一次の問題を解く際に、同じ年の二次事例のどの設問につながるかという一次と二次の関連を徹底的に調べました。一次試験終了後にストレート組でも二次事例に取り組み始め、9月のシルバーも活用し平成13年から平成20年までの32事例を勉強会で1回転しました。

その結果、表面的な問われ方や事例企業の内容は、毎年違いますが、問われていることは、事例企業の現状分析や目標、戦略、課題、解決策等であり、中小企業の経営に対する診断と助言ということは、この八年間不変であることがわかってきました。

勉強方法と試験対策(2009年)

一次試験 – 毎週の弱小勉強会をペースメーカーに予習・復習を行いました。題材は、八年分の過去問、スピード問題集、TAC模試をそれぞれ七・五・三回転させました。もっとも、非常勤職を除くと毎日が日曜日の状態でしたので、できたことです。もちろん、中小企業白書、施策ガイドも熟読しました。一次試験は、何をすべきかがはっきりしていましたので、私の場合、どうやってモチベーションを維持・向上させるかに焦点を置いていました。

二次試験 – 一昨年までで受験校のノウハウをほとんど修得したと思いましたので、昨年と今年は単発のセミナーも受講せず、また、模擬試験も過去二年間、受験しませんでしたが、勉強会仲間が情報共有してくださり、財務の問題に皆で取り組みました。数年分のAASの模擬問題集等は、年代の古い順番に解いていきましたが、9月に就職し研修終了後の10月から多忙になり、今年分に手が回りませんでした。「読む」「考える」「書く」力を確立するために、繰り返し過去事例問題を解きながら、弱小勉強会で過去問の深い分析や議論を通じ、二次試験で問われていることの本当の意味を自分なりに考え続けていました。二次試験直前1週間前に父親の27回忌出席するため、帰省し実家に一泊するなど、勉強のペースはかなり落ちましたが、かえって力が抜けて受験できてよかったようです。ほとんどの受験生がやることを全くやりませんでしたので、異端の勉強法を取っていたかもしれません。

①間違いノート等は一切作成しませんでした。(理由:書くと安心し、身につかないから。)②二次向けファイナル・ペーパーも作りませんでした。(理由:一次の勉強もあり作る暇がなかったから、書いても覚えないと意味がないから、作っても妻に捨てられるから。)

③模擬試験の受験等の80分解きを一回もしませんでした。(理由:80分解きは、不完全なままの分析と読解になり自信をなくすので、そんな経験は本試験だけでいいと思ったから。)

④解法の大枠は確立しましたが、細かい解法手順は確立しませんでした。(理由:本試験では、想定外のことが起こり易く、解法手順を決めておくよりも、パニック時や設問要求がわかりにくい時にどう対処するかを常に考えておく方が有効であると思ったから。)

試験当日

「あたり前のことをあたり前にする」~問われていることは何かを正確に把握し、愚直に設問の要求に応えること、悩んで相談に来た社長に対し、親身に応対し方向性を示してあげることを心がけました。四人の社長の経営相談を途中で終わることなく、最後まで担当できるようにも留意しました。過去二年間の経験を通じて、最初に相談に来るA社の社長の悩みが最もわかりにくく手ごわいので、少なくともA社の社長の悩みが何なのかを把握することに精神を集中しました。解決策を示すはずの中小企業診断士が逆に悩んでしまうことがないように、一般的な原理原則に立ち戻って準備をしました。今年は、解決策に何を示したのかよくわからない、という状態を回避でき、B社、C社、D社の社長の悩みを聞いて解決策を示すことができました。

最後に

高い目標に向かって日々努力し続けることは、人生で最も価値のあることだと思います。また、この試験は、誰でも努力する人が報いられる試験であると思います。二次筆記試験をこれから受験する皆さん、今というこの瞬間から試験当日の事例IVの終了ベルが鳴る瞬間まで、自分を信じて、決してあきらめずに、戦い抜いてください。一人でも多くの弱小勉強会メンバーが合格を手にすることを祈っています。