川田創 http://salsaxtrm.exblog.jp

【受験経歴】
2008 1次7科目合格 2次筆記不合格(CDAB) 日本マンパワー
2009 受験ぜず    2次筆記不合格(BBDC) 弱小、MMC通信
2010 1次7科目合格 2次筆記不合格(ACAA) 弱小
2011 1次7科目合格 2次筆記合格 弱小

1.診断士を目指した動機
動機について大なり小なりいろいろありますが、そのうち無難な個人的なものだけを述べさせてもらいます。
本業としてはIT系の仕事をしている私ですが、六本木にスタジオを構えるサルサダンスのカンパニーに所属して、
ベルファーレとか、LAとか韓国とか、VenusFortとかのステージに立ったりしていました。
何よりもそこのTeachingAssistantとして、六本木の老舗サルサスタジオのSというところでレッスンを持っていいました。
サルサに限らずダンススクールを取り巻く状況って、事例にできそうな状況なんです。

「かつてブームがありました。

そのあとも何度か習いごととしてダンスのブームがありました。
教室を開く際の参入障壁が高くありません。
ブームになると次々と教室がオープンして、競争が過熱して、六本木の狭いエリアでお客さんを奪い合うことになりました。
そのうちブームが過ぎて、経営は相当厳しくなっています。」
どこかで見たことありませんか?せっかくいい先生がいて、いいレッスンやっているのに、経営面ではいろいろと厳しいシーンも出てくるんですよね。これ以上はあまり詳しくは述べないですけど、2次の過去問とかに取り組んだことのある方ならなんとなく分かってもらえるんじゃないでしょうか。

毎週2回レッスンを持つ中で、自分が大好きな先生とか、スタジオに対して何もできない自分ってのも感じていました。無力感ってのがあります。ダンスのために診断士になった、という訳ではないですが、そんな自分がしたいこと、すべきことに対し、今の自分は足りないなと感じていたことがきっかけです。

さて、合格体験記としては、書かなきゃいけないのは、なんでお前は合格したんだ?ってことですよね。
「1次はどういった勉強をしたのか?」
とか
「2次で気をつけたことは何か?」
とか。
勉強の基本というのは、大筋では差がないと思っていますので、ここでは私ならではの考えに絞って述べてみます。

2.1次試験

私の受験方針とみなさんへの提案は、「科目合格を活用せず、7科目全部受けようよ!」です。
科目の難易度なんて試験委員のさじ加減次第。勝手に、この科目は何点取れるからと皮算用して、一部科目のみ残す、というのは危険なんじゃないかと思うんです。7科目全部受験して、極端に難しい問題にあたってこけるリスクを少なくすることがお勧めです。

私の場合、3回1次試験を受験したのですが、私はいずれの年度でも過去問を100%正解になるまで繰り返し解きました。過去問を100%正解できれば、合格はできると思います。過去問と重複する論点の問題なんていくつもあります。それに一度これをやっておけば、2年目の2次も残念な結果になるなどして、再び1次を受けることになっても、直近の2年分に労力を割けばよくなるので、いざというとき楽になります。まさにやったことは無駄でなかった、ってことで。

すでに合格点に達した科目の場合、過去問やスピ問で正解できなかった論点だけテキストで復習すれば、また合格点以上をとって、おつり貰える可能性が高いのです。例年並みの難易度であれば、ちょっとの勉強で合格点がとれるようになるんじゃないでしょうか。

ただし、注意して下さい。解けるということの質は求めましょう。一つ一つの問題に対し
 「この問題の論点は、□□です。」
一つ一つの選択肢に対し
 「適切である。理由は、○○に対し、××であるから。」
と説明できることが100%正解なのです。 弱小のストレート組では、このことを徹底して1次試験に臨みます。
あとは普段から1点でも多くとる姿勢は大事です。時間は足りないんです。突発的な事故とかあるかもしれません。自分の勉強が得点につながるか絶えず自問して下さい。
これはもし多少でも余裕があったらなのですが、1次試験の問題は知識問題ではなく診断士の仕事に役立つノウハウが詰まってるんだ、という視点を忘れないでください。各問で問われている内容を理解する上で、こういった視点を持っているとすんなりと納得しやすいです。

3.2次試験

そもそも受験者の実力を正当に評価しようとするまともな試験の場合、当たり前のことを当たり前にできた人が合格する、という面もあり、「何をするか」という点は誰が語っても本質的なところは似通ったりします。中小企業診断士試験もこの例に漏れません。そういった当たり前の部分を手順とか、スタイルとか、メソッドとか、セオリーとか名付けてブランド化しているわけですよね。

弱小であれば、選択肢から答えを導く思考パターンの整理、設問要求の解釈、与件文の言いまわしの背後にある意図、過去の論点の整理を行ってゆきます。そして其其の人が、そういった手順と過去問から抽出したノウハウとを使いこなせるようになって、合格しています。

弱小で勉強して合格レベルに達した人の場合だと、本試験で新たな問題を目にしても、どれも「どこかで見た論点」として、勉強会の中で考えてきた回答を、その場で目にした与件企業の状況に合わせて安定的に記述することができるようになるわけです。

だから、ここで勉強している人で、合格できるまでの勉強をしてきたかどうかは、どの論点がどの過去問でどういう風に問われたかをスラスラ述べられる人が多いです。私が強会に加入した当時に、先輩、特にOB/OGの方がすぐに「ああ、それ何年のどの事例ね」とスラスラ述べるのを見て、マニア?と思ったところもあるんですが、弱小で勉強していれば自然とそうなります。

診断士試験の問題が、診断士として出合う典型的な状況にどう応えられるか、という診断士としての資質を問う試験です。典型的な状況に、安定した対応ができるということは、なんら試験の趣旨に反することではありませんし。逆にできないのってどうよ?という訳です。過去問を使って、同じ対応ができるようしつこく練習して下さい。
とはいえ多年度受験生って、大抵そういった基本を身につけているんですよね。でも合否に差が出ちゃう。なんで?って思っちゃうわけです。

このことについての私の今年の気付きなのですが、意思決定プロセスに関連しているといえます。勉強会でも最後の最後まで「正解は何?」という点で意見が一致しない論点がでてきます。こういった論点への取り組みに差が出てくるんです。実は「正解は何?」というものを目にしたときに、どう対応できるかで、合格できるひととそうでない人との差が出てきちゃうんです。よく勉強して実力は合格レベルに達しているのになかなか合格できない人がいます。それはこういうところに見出せるんじゃないかと思います。

2次試験の中には受験生を迷わせるような論点が入っています。こういった論点への取り組みを通じて、意思決定能力も問われています。実社会でも、情報を全部得られない中で方向性を決めていかなければならない場面って多々ありますよね。意思決定に際しては、根拠とする情報の不確実性、不足というのがつきものです。2次試験も同じじゃないですか。
企業経営理論など勉強された方には、”満足化”原理”最大化”原理などという言葉で馴染みがあるでしょう。試験も同じで、”満足化”原理の中で正解を導くことが求められているのです。その原理のなかでいかに納得性がたかくて、クライアントの活性化につながる提案ができるかなんですよ。

答案を見ると、どんな考え方で答案を書いているのか分かるんです。合格する人としない人とで決定的に変わってくるのが、満足化の程度を高めるために、与件文のはっきりしない記述にどう向き合ったか、ってことなんですよね。大体、メソッドとかセオリーで回答できる分って、誰が書いても同じようになります。だから、そうやって回答すれば、合格者の答案も不合格者の答案も同じように見える。違ってくるのは定番対応できないところに、どう対応できるか、ということなんです。

受験校じゃなくて、勉強会に来ることの意義はこういうところに見いだせます。勉強会で意見が割れたらそれがチャンスです。論理的に議論を進め、ベストな対応を見出し合格を手繰り寄せてください。
ちなみに私は、不確定要素への対応する際は、根拠として、0与件1過去問、2白書、31次知識という優先で取り組みました。

4.診断士試験のために行ったその他の勉強
放送大学
現代都市とコミュニティ
 試験との直接的な結びつきの少ない部分も多い。けれども、商店街の活性化、
地方の活性化、人口動態など事例2の背景ともいうべき、状況を見てとれる
グローバル化と日本のものづくり
海外行ったり、行かなかったり、製造業をとりまく事情への理解が深まる
組織運営と内部監査
内部監査と診断は違うけれども、経営をよくするために内部監査を使う。
進化する情報化社会
スモールビジネスマーケティング
回答に使える記述をピックアップしました
簿記2級の講座
1次にも2次(計算)も危なげなくこなせた
下町ロケット
TOC入門
過去の中小企業白書
2006年以降読みました
買わなくてもWebで閲覧できる
TACスピ問 on iPad
体系的な基本の理解を確認するために