今年度会長の大橋です。
いよいよ明日は中小企業診断士第2次筆記試験です。
本日の学習はほどほどにして、明日に備え早めに就寝を心がけていただきたいと思います。
手短になりますが、最後に心がけていただきたいことを事例ごとにお伝えします。

【全体】
筆記試験は「紙上のコンサルティング」です。
内部環境と外部環境の現状を調査・把握したうえで、顧客企業の目標を設定し全体戦略~機能戦略策定によって実現に向かうよう導いてあげることです。
イメージとしては下図のようになります。

【事例Ⅰ】
事例Ⅰは「組織人事」の事例です。
必ず組織人事面の改善をもって成長に導いてあげましょう。
過去から現在にかけて手広く事業展開してきたものを、外部環境の変化に合わせてリソースを選択と集中により自社の強みに絞って差別化を図る、というストーリーがほとんどです。
組織面でも人事面でも使うフレームはほぼ「幸の日も毛深い猫」に集約されます。
例えば、社長から「うちの従業員はやる気がないけれどどうしたらいいか」と相談されたらどのように答えますか?
自分の経験を踏まえて「私の会社では毎月親睦飲み会開催して、ストレス発散しているからみんな活き活きしていますよ。」と答えたとします。
この具体的な回答をいったん「内発的動機付け」の知識を使って抽象化し、さらに事例企業の場合に合わせて提案します。
例えば、「希望部署へのジョブローテーション、資格取得の奨励・補助、公平な評価基準を設定、一部成果報酬制度の導入、CDPの実施、外部組織との交流」など。
飲み会が全くの間違いとは言いませんが、自らの経験を優先させた提案はよろしくないですね。

【事例Ⅱ】
「だなどこ」フレームの重要性はもうご存じかと思います。
設問文にはすでに「誰に売りたい」が書かれていることがあります。
その場合、自社商品(サービス)のうちで何が一番その人に喜ばれるのか、その人に商品の良さを伝えるにはどうしたらよいのか、その人に商品を届けることで自社にどのような効果がもたらされるのか、与件文に書かれている情報から自然なストーリーを伝えましょう。
決して創作してはいけません。
設問文に効果が書かれていることがあります。
その場合も、求められる効果を導くには誰に何をどのように売ればいいのか、ターゲットや商品の属性・性質を十分配慮したうえで提案します。
自社のリソースが足りなければ、協業しましょう。
商品品質を向上させたければ、双方向コミュニケーションでニーズを聞き出しましょう。
多くを相手にするのではなくて、高付加価値商品を一人一人に訴求することで、関係性向上や愛顧獲得し、最終的には売り上げ増加を目指します。

【事例Ⅲ】
多くの事例企業はQCDのうちのQは優れているが、CやDが劣っています。
技術力や一貫生産体制を備えているものの、生産計画策定サイクルやロットサイズの設定、工程のラインバランスや資材や製品在庫管理、作業動線等々できていないのが事例企業です。
そのできていないところを改善するのが、中小企業診断士の仕事であり、回答要素になります。
切り分けは生産管理と生産現場で区別します。
改善策も事例Ⅲはほぼほぼパターン化されていますので、妙案ではなく過去問から引っ張ってきましょう。
最終問題は強みや改善された弱みを機会にあてる戦略です。
これまでの成功体験や社長の考えをもとにさらなる成長戦略を提案しましょう。

【事例Ⅳ】
事例Ⅳについては現状の課題・問題を施策で解決という基本構造は他事例と変わらないものの、これまでの学習蓄積がものを言う事例だと思います。
要するに、どれだけの問題をこなしてきたのか。
辛い反復練習が、本番に好影響をもたらします。
そのうえで、当日の戦略として「難問の後回し」は必須です。
おすすめは、経営分析~記述問題~(CVP・CF分析・セグメント別会計)~NPV の順です。
解く順番設定は、当日できるもっとも簡単かつ有効な戦略です。
途中の記述やCVPなどが難しかった場合、時間をかけずにさっさと別の問題に移りましょう。
あなたが難しいと感じる問題は、みんな手こずっています。
考えあぐねて立ち止まっている時間は非常にもったいないです。
そこそこで見切りをつけて、別の問題で加点を狙いましょう。

以上、ごくごく手短ですが、頭の片隅に留めていただけたら幸いです。

最後になりますが、緊張のほぐし方についていくつか紹介します。

  1. 深呼吸する
    深呼吸は腹式呼吸であり、深く息を吸って吐くことで肺の下の横隔膜が上下に動きます。
    横隔膜には自律神経が密集しており、ゆっくり呼吸することで過剰な交感神経のバランスが取れます。
    鼻から4秒くらいで息を吸い、倍の時間をかけて口から息を吐きます。
  2. 手のツボを押す
    手首にある横じわの小指近くの少しくぼんだ所にある「神門」、手の甲の親指と人差し指の骨の分岐点あたりの人差し指寄りにある「合谷」。
    これを親指で気持ちいいと感じる強さで、左右30回ほど刺激します。
  3. 軽くジャンプする
    副交感神経とつながる胃や腸を刺激し、緊張がほぐれます。
  4. 軽くストレッチする
    体の緊張をほぐすことで心の緊張もほぐします。
    腕を前に伸ばし交差して両手のひらを合わせます。そのまま上にあげ、背伸びをします。さらに左右にゆっくりと傾け、わきの下などの体側を伸ばします。
    これを何度か繰り返し、大きく息を吐きながら両手を下ろします。
  5. 首を温める
    首の後ろを温熱シートなどで温めることで、自律神経が刺激を受け緊張改善につながります。
  6. 緊張をほぐす効果がある食品
    いくつかありますが、試験会場への持ち込みができそうなものをピックアップします。
    チョコレート
    緑茶
    ハーブティー
    バナナ
    クルミ