1 はじめに

 OBの井澤です。以下の勉強法は、受験生時代に実践した勉強法というわけではなく、本投稿のために新たに考えました。また、弱小診断士勉強会の統一見解ではなく、個人の意見です。

 

2 目標は60点

 経営法務の場合、対象となる法制度が多岐に渡るため、重箱の隅をつつくような問題を出そうと思えば、いくらでも出すことができます。また、二次試験に関係がありそうな他の科目を頑張って、経営法務は手を抜くことも考えられます。そこで、難しい問題は最初から捨てて、60点を安定して取ることを目標にします。

 

3 幹の部分を太くする

 法制度は、基本的な制度設計である幹の部分と、そうではない枝葉の部分に分けることができると思います。幹の部分を理解しなければ、枝葉の部分を理解することも難しく、また、幹の部分さえ理解しておけば、枝葉の部分の結論も、ある程度は推測することができます。

 

4 過去問を解く

 幹を太くする方法として、過去問の中から正答率の高い問題を中心に勉強することが考えられます。ただ、過去問だけでは、幹の部分すら虫食い的にしか勉強できず、体系的な理解を深めることは難しいと考えられます。

 また、過去問を解くほかに、受験用のテキストを通読することも考えられます。確かに、知識を一通り確認するための道具としては便利ですが、内容の正確性や妥当性については、吟味を要するところかもしれません。

 

5 新書を読む

 受験用のテキストの代わりに分厚い専門書を読む時間はありません。そこで、新書を読むという方法は如何でしょうか。新書であれば、一般市民に向けて書かれた本であり、ページ数も少ないので、無理なく読むことができます。

 法律に関する本は、著名な研究者が書いた本であれば信頼できそうです。裁判所等が出している本も信頼できそうですが、新書を出すことはあまりないと思います。民間の実務家が書いた本は、玉石混交と考えた方が良い気がします。

 ネットで検索して、たまたまヒットした新書を、順不同で挙げてみました。

  (会社法)

  ・神田秀樹「会社法入門」(岩波新書)(2006)

  ・近藤光男「会社法の仕組み」(日経文庫)(2006)

  (知的財産法)

  ・中山信弘「マルチメディアと著作権」(岩波新書)(1996)

  ・小泉直樹「知的財産法入門」(岩波新書)(2010)

  (民法)

  ・星野英一「民法のすすめ」(岩波新書)(1998)

  ・池田真朗「民法はおもしろい」(講談社現代新書)(2012)

 

6 制度趣旨を想像する

 新書の多くは入門書になりますので、制度趣旨が網羅的に解説されているとは限りません。そこで、過去問を解く中で知らない制度に出会ったら、勝手に制度趣旨を想像してみるのも有効です。想像の正誤は別として、知識は忘れにくくなります。

 

7 まとめ

  ・過去問の中から正答率の高い問題を中心に解いてみる。

  ・著名な研究者が書いた新書を読んで基本的な制度設計を理解する。

  ・調べ切れない制度趣旨については勝手に想像してみる。