いよいよ本試験が近づいてきましたが、これまで積み上げてきたものを活かし必ず合格するという強い気持ちを持って、最後まで駆け抜けましょう!

今回は、設問と与件情報との紐付けを行った後、如何に手早く解答骨子作成⇒文章化を行うかについて、ヒントをお伝えしたいと思います。特に、「今後の戦略」系の設問への解答のまとめ方ですね。

基本は、以下の3ステップです。
①    解答のフレームワークを決める
②    解答骨子を作成する(与件情報、キーワードでの肉付け)
③    内容を決めてから書き始める(書き始めてからは迷わない)

題材として、H23事例Ⅰ:第1問(設問2)を採り上げましょう。事例企業が特定の戦略を採用している理由を問うタイプの問題です。

「近年、A社が医家向け市場に注力しているのはなぜか。その理由を120字以内で説明せよ」

①解答のフレームワーク
設問要求は、A社が医家向け市場に注力している理由。
まず解答のフレームワークを決めます。戦略の理由を問う問題なので、「あるべき姿」と「SWOT」を組み合わせて次のような解答をイメージします。

「理由は、~(あるべき姿)を実現できるから。一般向けでは、~(強み)を活かせず、~(脅威)も回避できないが、医家向けでは、~(強み)を活かせ、~(機会)を捕捉でき、~(脅威)を回避できる。」

そのほかに覚えておくと役立つ、「今後の戦略」系の設問への解答フレームワークにはこんなものもあります。

戦略/事業の方向性を問われたら:
「~(誰=顧客)に~(何=商品・サービス)を~(どのように=独自技術)提供する」
これは定番ですね

改善策や解決策の提案/助言を問われたら:
「~(原因)により、~(現状=問題点)が生じているので、~(改善策・解決策)を行う。その結果、~(効果=設問要求)を実現できる。」

こういう形を作って、( )の中を与件・設問の情報と1次知識で埋めていく感覚です。

②解答骨子の作成(与件情報、キーワードでの肉付け)
与件文の表現は極力尊重して下さい(「従業員」か「社員」か、等)。但し抜き書きだけでは冗長になるので、それらが何を述べているかをまとめる作業が必要です。具体的には1次知識を活用し、グルーピングして「キーワード」化します。

  • あるべき姿:   既存事業の改革、存続の確保
  • 脅威: 一般向け市場での競合企業との差別化競争、価格競争
  • 強み: 絆創膏で培った技術力、医療現場のニーズを捉えた製品の開発力
  • 機会:  安心・安全・安価で治療効率の高い(=付加価値の高い)製品へのニーズ、

これらを、先ほどのフレームワークの( )内に当てはめて、文章化していきます。

③内容を決めてから書く
そして書く内容が決まったら、マス目に書き始めます。
そのさい、文章はシンプルな因果関係でひと塊とするよう心掛けましょう。1つの切り口に語句を欲張って詰め込みすぎると、どうしても分りにくい文章になります。制限字数に応じて、2つ~3つの複数の切り口で多面的にバランスよく書くことを意識して下さい。

【解答例】
理由は、既存事業の改革を進め、企業の存続を確保するためである。一般向けは競合企業参入により競争が激化しているが、医家向けは技術力を活かして付加価値が高く、顧客ニーズに合った製品の開発により競合との差別化が可能なため、価格競争を回避できる。

与件文の言葉で、あるべき姿、強み、機会、脅威をどう表現するかを掴めれば、「今後の戦略系」の設問には落ち着いて対応できると思います。焦らず取り組んで下さい。

2014.09.27  大橋 功(勉強会OB:2012年2次試験合格)