合格体験記
大橋 功 2012/12/15
自己紹介
・1982年経済学部卒。国内・海外での企業向けファイナンス業務を中心に銀行に17年間勤務後、1999年に現在の会社に転職。海外現地法人駐在、海外事業者との出資・業務提携、事業計画策定等の業務に従事。
・強い分野:ファイナンス、アカウンティング(財務会計・管理会計)、経営法務
・弱い分野:生産管理
受験履歴
※上図をクリックすると最大化され、図全体を参照出来ます。
昨年度2次試験の敗因:
・勉強時間の不足: 一次試験を仕事の合間に独学で受かってきた延長で、二次試験を甘く見ていた。残りの一次受験科目が2科目だけであれば、もっと早くから準備できたはずだが、事例問題への取り組みを開始したのが7月と遅かった。
・勉強のやり方の誤り: 過去問の模範解答を見て解答パターンを暗記し、何となく分かった気になっていた。その結果、SWOTに基づき事例企業の方向性をまず把握する、与件に即した因果関係で書く、与件や設問のキーワードを盛り込んで記述する、解答間の一貫性を確保する、といった二次試験の基本動作が身に付いていなかった。(末尾の【参考】H23年度:事例Ⅰの、本試験再現答案と最終ベスト答案比較を見比べて、良くなった点をチェックしてみてください)
・一次・白書知識の不足: 設問に対する適切な切り口が複数、短時間で浮かぶレベルまで、知識が身についていなかった
以上の通り、二次試験に対処するための「基礎体力」が決定的に不足していた。
自分の実力を客観的に把握し、正しい方法を身につけるためには、独力での対処では無理と考え、勉強会への参加を決意、弱小診断士勉強会へ入会。
弱小で勉強するメリット:
・受験生仲間との質の高いディスカッションによる気づきが、必ず毎回あること
・判りやすい答案を書くスキルが身につくこと
・一度読んでも判ってもらえない答案、補足説明が必要な答案、ではダメ
・OBからの親身のサポート
・勉強会への参加、MLでの質疑を通じて、合格答案に必要な具体的なアドバイスを頂くことが出来る
具体的な学習方法:
・目標は、「80分で、一貫性があり、問いに素直に答える読みやすい答案を、手書きで作成できる」こと
・過去問 → ほぼ弱小勉強会のペースに合わせて実施
>1月~5月の5カ月間: 一回転目。PC打ち込み/1週間2事例ペースで、時間を気にせず過去問(H13~H23)をじっくり解いた。解答を書き始める前に、必ず①これまでの姿、②今後の方向性(ドメイン再定義)、③強み、④機会、⑤解決すべき課題、をメモ書きで作る癖をつけた。これが手早くできるようになれば、解答作成スピードが上がり、また大きく外さなくなる。
>6月~8月の3ヶ月間: 2回転目。解答を手書き、80分に切りかえ、本番のタイムマネジメントを意識。最初は80分で中々できないが、自分の解答プロセスを確立し、繰り返し練習して慣れれば必ずできるので心配しないこと。
>9月以降、3回転目。手書き、80分
・大原の通信教育(2次答練コース)と公開模試は、初見問題対策として利用。
・日課として、通勤時に日経新聞の「春秋」を短文に要約。
・一次知識をブラッシュアップするため、企業経営理論と財務・会計2科目の一次試験を受験(合格)。運営管理も出来ればベストだったが手が回らず。
教材:
・一次テキスト: 企業経営理論、財務会計、運営管理 (TACスピードテキスト)
・「2次試験合格者の頭の中にあった全知識」 (同友館)
・中小企業白書(当年度、前年度の2年分)
・「財務・会計セレクト問題集」 (同友館) ~ 論述問題パートを中心に利用
役に立った副読本、Webサイトなど:
・経営学入門(上)」 (榊原清則:日経文庫)
・「小が大を越えるマーケティング」、「スモールビジネスマーケティング」 (岩崎邦彦)
・「生産管理ハンドブック」 (西沢和夫:かんき出版)
・「ふぞろいな答案分析~3年分の総まとめ」、「ふぞろいな合格答案5」
・鷺山はるこさんのブログ、J-Net21(中小企業基盤整備機構)
80分のタイムマネジメント
・事例Ⅰ~Ⅲ
>設問読み ⇒ 題意把握
>与件文読み ⇒ 強み/機会/設問対応箇所のマーキング
>「事例企業の方向性」を設問分の欄外にメモ書き (ここまでで15~20分)
>方向性のメモ書きを意識しながら解答骨子作成 (ここまでで40分)
>解答作成 (40分)
・事例Ⅳ (H23以前のパターンを前提に)
>設問をざっと読む
⇒ 第一問で問われている財務指標、第二問以降の計算問題の内容や難しさ等をチェック
>与件文読み
⇒ 事例内容を読み、財務指標を計算する。
>第一問でどの指標が対象となるか当たりをつけ、解答内容をイメージする (ここまでで20分)
>第二問以降を解く (40~45分)
>第一問に戻り、解答を書く (15~20分)
・ふぞろい」合格者の解答プロセスやAASの合格体験記を参考にして、自分にフィットする方法を、試行錯誤しながら模索した。事例Ⅳの解答プロセスは比較的スムースに固まったが、事例Ⅰ~Ⅲは時間がかかった。特に事例Ⅱは処理する情報量が多く、時間通りに収まらず苦労した。
・過去問を繰り返し解き、漸く何とか形になったのが9月初め。直前の9月に弱小勉強会でやった「その場解き」は良い練習になった。繰り返しやっているうちに必ず感じが掴めて来るので、あせらないこと!
試験当日を迎えるに当たって
・受験票が来てから、自宅から試験会場(TOC五反田)へ、当日行くルートで週末に下見に行った。気持ちの問題だが、当日迷わず行けるという安心感と、「ここまでやったのだから落ちるはずは無い」という自己暗示が得られ、意味はあったと思う。
・「ファイナル・ペーパー」は特に作成せず。代わりに、11年分の事例Ⅰ~Ⅲ過去問の設問と解答骨子(キーワード)をコンパクトにまとめた手作りの資料(各事例4~5枚)を作り、試験直前には繰り返しそれを眺めて、各事例のストーリーと解答のイメージが自然と頭に浮かぶようにした。得意分野の事例Ⅳでモチベーションを維持しながら、事例Ⅰ~Ⅲに取り組んだ。
・当日は、自分を信じ、普段と同じ解答プロセスで取り組むのみ。事例Ⅳは傾向が大きく変わり意表を突かれたが、落ち着いて、難しい問題は気にせず出来る問題を確実に解こう、と言い聞かせながらやった。
おわりに
・足掛け4年のチャレンジで、筆記試験合格までたどり着くことが出来ました
・家族の理解・協力、弱小勉強会のOB/OG、現役勉強会仲間の皆さんから頂いた数々のご指導、示唆がなければ、この結果はありませんでした。厚く感謝申し上げます。
・来年の合格に向けて、意欲ある皆さんの入会をお待ちしています。我々も全力でサポートします!