H26年度再現答案交換会(11/8)
今年度の交換会は11/8(土)に、総勢15名で実施致しました。弱小からは28名が二次試験を受けましたので、その略半数が出席しました。受験者には再現答案を提出戴くことになっており、約8割が提出したところで交換会となりました。
昨年までは、各自が自分の答案を出席者の人数分コピーして持参し、文字通り交換会でしたが、今年からはネット上の共有フルダーに集約ファイルを設置し、各自が書き込む形式にしましたので、ペーパーの交換はせず、各自でプリントアウトするか、PC持参で会議に臨みました。 これは集約ファイルのサンプルです。(特定個人の答案ではなく、編集したものです)
※上図をクリックすると最大化され、図全体を参照出来ます。
午前中に事例ⅠとⅢ、午後に事例ⅡとⅣを行いました。事例毎に、主なディスカッションの内容を御紹介します。
<事例Ⅰ>
第1問の「わが国でも、近年、研究開発型の企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化があると考えられるか」については、中々該当する環境変化が与件から見つけられなかった、という声が多く、解答内容もかなり分散していました。
執行部からは「①技術革新のスピードが速まる中、大手メーカーでも研究開発型中小企業と連携した経営合理化のニーズが高まった。②中小企業の新規事業創出による経済活性化を目的とした、官公庁の助成金制度が増加している」という解答例を出しました。
<事例Ⅱ>
第3問設問2の「デシル分析結果から、上位顧客と下位顧客の総利用金額の差がどのような要因によって生じているか、数値を用いて説明せよ。その結果から導かれるB社が戦略的にターゲットとすべき顧客像とあわせて120字以内で述べよ」については、デシル分析結果の解釈で明暗が分かれました。
3年分の利用実績であり、付き添い家族が1名のみという前提を外しているケースが結構ありました。また、顧客層ではなく「顧客像」ということで、解答が微妙に変わって参ります。デシル上位に働き掛けるのか、下位へのアプローチを増やすのかで意見が分かれましたが、直近の初回参加者(デシル下位の一部)のリピーター化が有効ではないか、という方向に意見が収斂しました。
<事例Ⅲ>
第1問の「精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱み」につき、「弱み」には「X社への依存度が高いこと」という解答が多かったのですが、「高依存度」が即弱みになるのか否かが問題になり、「高依存度」の結果としてのマイナスの影響を指摘することが重要である、という結論になりました。
具体的には、営業力、及び生産技術や管理技術の弱さが該当し、これが第4問での「X社以外の販路開拓」に向けて克服すべき課題になると考えられます。「弱み」は後続の設問で解消して行く、という前提に立てば第1問でこのことを指摘しておくことが必要になります。
<事例Ⅳ>
今回の事例Ⅳは、非常に良問だったと思います。特に第3問は、単純に考えると時間当りの限界利益の大小で生産の優先順位を決め、直接作業時間の範囲内で商品X,Y,Zを生産するという解答になりますが、この問題は物凄く奥が深いのです。
貢献利益に着目すると、設問2ではZの貢献利益がマイナスとなるので、Zは生産せず、代わりにYをフル生産する、という方法が営業利益を最大に致します。設問3は更に精緻な作り込みがあり、結論としては「商品Xのみ50万円の広告宣伝費を掛けて増産し、Zは生産せず、Yをフル生産する」という解答になろうかと思われます。
斯くして、今年度の活動は終了し、交換会終了後は「慰労会」に移行し、今年度の総括を行いました。二次会ではカラオケで歌い捲り、勉強会では知る由もない各人の隠された一面が披露されました。
来週(11/15)からは、ストレート組の来年度勉強会が繰上スタート致します。関心のある方は、こちらを御覧戴き、ぜひ見学にお越し下さい。https://jakusho.jp/?p=1377
2014.11.10 前年度会長 永井廣